20150903 2015年度 ゼミ合宿3日目:江津市、浜田市(島根県)

合宿3日目は、近世期の中心であった旧市街地の「本町」からスタートです。まずは山辺神社で、「本町地区歴史的建造物を活かしたまちづくり推進協議会」の黒川さんから、地域住民が中心となった街並み保存のまちづくりの取り組みについてお話を頂きました。

近世から近代に移り変わる時代の面影を色濃く残している地域で、現在の江津駅周辺の趣が異なっています。また、往時は、江の川の河口を中心とする物流の拠点として栄えた地域でもあり、現在も豊かな空間や文化を湛えた建物が散見されます。

また、放っておけば無くなってしまう歴史的な資源を、市民と行政、専門家が協力しながら、保全していくだけでなく、新しい形や役割を生み出すことで地域の魅力を創造しています。

お昼ご飯は、本町のまち歩きのゴールにある「豆茶香」で頂きました。芸術を学ぶ大学生達によって生まれ変わった資材置き場だった建物は、とても個性的なのですが、周辺の長閑な風景に妙にマッチしています。お昼ごはんは、まち歩きに一緒に参加した地元の大学の学生(現在、江津市役所にインターンシップ中)とワイワイやりながら、楽しく、美味しく、頂きました!

午後からは、お隣の浜田市に移動し、「シマネプロモーション」の三浦さんにお話を伺いました。お伺いした事務所は「さきや」という築80年の120坪ある大きなお屋敷の一角で、一歩足を踏み入れただけで、心地良い空気を感じる空間でした。所謂、古民家の良さを超えた「心地よさ」を感じる場所でした。この建物には三浦さんの事務所の一部がシェアオフィスになっていて、さらに、建物の2階をシェアハウスとしています。きっと、建物の多様な使い方と、この建物が持つ「心地よさ」が相まって、様々な人が集い交わる場所になっているのだと感じました。

もちろん、建物の魅力だけではなく、三浦さんご本人の魅力に引き寄せられているのだと思いますが、特に、三浦さんの「地域」ということに関する認識の柔軟さがとても新鮮でした。ややもすると「地元愛」ゆえに凝り固まってしまう「地域」の境界線を飛び越えつつも「シマネ」を下敷きにしながら、縦横無尽に様々な資源つなげ、発信し、招き入れる活動のスタイルは、これからのまちづくり(や、地域政策)にとって大切なものだと感じました。

今日の温泉は、浜田市の「美又温泉」です。3日連続の温泉なのですが、毎日違うお湯と風情を楽しむことが出来ます。とても、贅沢なことです...

温泉でさっぱりした後は、本日のスタート地点の山辺神社に戻って、今回の合宿初のゼミ生達による、現在、東京の練馬区で行っている「楽農くらぶ」の活動についてのプレゼンを行いました。今回の合宿のコーディネイトをしてくれた竹内さんの挨拶に始まり、江津市の中山間に先頃オープンしたカフェ&ベーカリー「蔵庭」の美味しい料理を頂きながら和やかな雰囲気で会が進んでいきました。

学生たちの発表は…色々とありますが、一生懸命さだけは伝わりました。学生達の発表後、参加者から、「まだ若いのに、自然や健康などをテーマとした活動にどうして興味を持ったの?」との質問に、我がゼミ長、松本くんは、ジャンクフード好きだった過去を告白しながら、最近では、自然農法で育てられた元気な野菜の美味しさに気づいたことを力説していました!

学生たちの発表の後には、江津を含む石見地域の資源発掘、パッケージしながら、石見地域の楽しみ方を発信している「イワミノチカラ」の伊藤さんにお話を頂きました。伊藤さんは、別府温泉で始まった「オンパク」の手法を取り入れながら、「いわみん」などを通して石見地域の着地型観光を推進されています。ユーモアたっぷりの軽妙なお話しは、肩に変な力が入っていない、楽しい活動の様子を想起させるものでした。

そして、最後に、参加者のお腹と心を豊かなものにした料理をご提供頂いた「蔵庭」の戸田さんからお話を頂きました。先頃、江津に本格的に移住されたということで、その経緯などについて教えて頂きました。「地方でも仕事を創ることは出来る!」との言葉に、今まで「田舎暮らし」や「二地域居住」といったライフスタイルにリアリティを持てなかったのですが、「もしかしたら、江津でなら、自分にもできるかも?」しかも、「今よりも楽しいかも?」と思ってしましました。

今日の動画。ゼミ長、乾杯の挨拶...です。