20170202 練馬区高松「農の風景育成地区」のまち歩きに参加しました!

 2月2日、練馬 みどりのまちづくりセンターの山口さんに案内をして頂き、練馬区高松地区のまち歩きに参加しました。現在、自然工房めばえさんを中心に取り組んでいる地域の拠点づくりの舞台となる空き家が高松地区にあるということもあり、今後の活動に向けて地域に対する理解を深めるために、ゼミ生全員での参加となりました。

 10時に「みやもとファーム」へ集合。まず、ファームを運営している宮本さんより、この地での農の営みについて説明を受けました。その後、他の参加者の方々と一緒にまち歩きがスタートしました。各ポイントでは山口さんから解説があり、色々なことを教えて頂きながらのまち歩きとなりました。その中でも、特にゼミ生が「勉強になった!」との声が多かったものを、いくつかご紹介します。

 高松地区には多くの農地がありますが、その中でも「農の学校」は、練馬方式として農家の支え手を育てることを目的とした機関です。

 また、思い思いの作物を自由に作れる農地として区民農園があります。区民が日常生活の中で土に触れることが出来る貴重な場所となっています。

 このように、農を学ぶ場(農家の支え手づくり)と実践する場の両方が用意されているのは、23区内で最も農地が多く、農がまちにとっての大切な資源となっている練馬区ならではだと思いました。

 また、災害時に活用できる農地として、農家さんの自発的な地域社会への貢献の一つの形である「災害時協力農地」があり、農家さんと地域との様々な関わり合いがあることも知りました。

 次に「南高松憩いの森」です。高松地区にはいくつかの「憩いの森」がありますが、もともとは武蔵野台地特有の強い風から家を守る屋敷森などだった場所で、人々の生活と結びつきながら形成された景観です。

 長い年月をかけて育てられた景観を多くの区民に理解してもらうため、現在では一般に解放され、樹木を保護するワークショップなどが開催されています。「憩いの森」は土地所有者から区が無償で借り受けることで、固定資産税と都市計画税が非課税になる仕組みであり、全国的にも先駆的な取り組みとして知られています。

 この「憩いの森」以外でも、印象的な「農の風景」があります。何ということもない風景で見過ごしてしまいそうですが、畑・家・屋敷林という、武蔵野台地の典型的な農の風景も高松には残っています。

 そんな農の風景が残る高松地区に、ゼミとして参加することとなった空家を活用した地域コミュ二ティづくりプロジェクトの現場があります。ここに活動拠点を構える自然工房めばえの海野さんによる説明があり、これから多くの人が集う予感‥がします。

 まち歩きも後半戦です。高松では多くの農家さんが野菜を生産していて、対面式やロッカー式など、さまざまな形の農産物直売所があります。新鮮な野菜も、高松の生活の一部となっています。

 まち歩きのゴールは、農家の納屋を改装した「日本茶カフェ」です。ここでは、練馬区で大豆を栽培し、お味噌づくりをしているTEAM・ネリマメさんから、練馬産の大豆の差し入れを頂きました!

 さらに、高松地区には、直売所として野菜をそのまま販売するだけではなく、美味しい料理として提供している農家さんもあります。昼食を頂いた「みやもとファーム」では、生産された野菜を使った農園レストランや麦ノ家(うどん屋)などを経営しており、農の更なる楽しみを感じることができました。

 お腹も一杯となったところで、本日のまち歩きの振り返りをしました。「農の風景」の残る高松のまち歩きにふさわしく、ポカポカとしたビニールハウスで、和気あいあいとした雰囲気の中で、今日のまち歩きの感想を語り合い、まち歩きはお開きとなりました。

 少しづつですが、高松のまちのことを知るに連れて地域への愛着も生まれ、これからの空家活用を中心とした活動への期待が高まった一日となりました。


大東文化大学 環境創造学部 齋藤ゼミ 山本 浩輝